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2008.10.22

京都・洛中 相国寺「秋の特別公開」

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相国寺の秋の特別公開に行ってきました。今回拝観したのは、方丈と法堂、それに浴室の3箇所です。

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相国寺は普段は非公開なのですが、春と秋の年に2回、特別公開が実施されています。秋の公開は12月8日(月)までとなっており、まだまだ時間はあるので慌てる事はありませんが、紅葉シーズンに入ると混雑が予想されるので、早めに行かれる方が良いかも知れません。

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方丈の南側は枯山水の庭となっており、塀越しに聳えているのは法堂です。法堂については今年の1月に一度訪れているのですが、当時は九州の展覧会に出展されていたため拝観が叶わなかった、御本尊の釈迦如来座像と2体の脇侍に出会えたのは何だか嬉しかったです。

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南庭は白砂だけのシンプルな庭なのですが、そこに縦と横の直線の模様が描かれています。この時は丁度その模様が描き直されていたところで、専用の熊手の様な道具を使って線を引くのですね。普段はあまり見る事が無い作業で、ちょっと珍しい光景ではないでしょうか。

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ここの見所は北の裏庭にあり、およそ街中にあるとは思えない様な、ダイナミックな景観が広がっています。普通は平面の庭に石や木を配して深山幽谷を表現すべく工夫するものなのですが、ここは本当に地面を掘って、谷を作ってしまったのですね。

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左手奥に巨岩を配して滝を表し、谷底には石を敷き詰めて流れを表現しています。中央の石組みは渓谷美を象り、右手奥には石橋を置く事によって流れの末にある人里を意識させようとしているのでしょうか。

この枯れ流れは方丈の排水溝としての機能も有しているとされ、実用も兼ねた庭園というのは他には例がないと言われます。実際、こんな型破りな庭は見た事が無く、大胆にして繊細な配慮がされた名園と言って良いのでしょうね。

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方丈にはもう一つ坪庭があり、狭い空間に調和良く石と植え込みが配されていました。裏庭に圧倒された後に見ると、思わずほっとする様な落ち着いた庭ですね。

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もう一つの公開対象である浴室は、方丈の西側にあります。この北側にあるのが何度か紹介した大光明寺になります。

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入り口には跋陀婆羅菩薩が祀られており、その頭上には「宣明」と記された額が掲げられています。これは、跋陀婆羅菩薩が風呂の供養を受けた際に自己と水が一如である事を悟り、「妙觸宣明、成仏子住」と言ったところから来ています。「宣明」とはすべてが明らかという意味なのだそうですね。

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つまりは、入浴でさえも禅宗においては修行の一つであり、悟りを開くための場である事を示しているのですね。禅宗の浴室はこれまでにも何度か見てきましたが、ここの風呂は蒸し風呂と掛け風呂を兼ねているという、他には無い特徴を備えています。

この裏手にある窯で湯を沸かし、真ん中にある木樋から浴室に流し込むのですね。

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流し込まれた湯は中にある湯壺の中に溜まり、そこから蒸気を発して浴室全体を暖めます。そして、湯壺からひしゃくで湯を掬って中央の木枠の中に入れて冷まし、それを身体にかけて身を清めるのだそうです。単に下から蒸気を浴びせられるだけの東福寺の風呂とは違って、なかなか快適そうではありますね。

ただ、こちらも中は真っ暗で、一度に6人が入ったそうですが、厳格な作法があり、当然ながら無言の行で、決して楽しい入浴という訳では無かったようです。あくまで修行の一環だったのですね。

この特別公開は800円と少し高めですが、ここでは紹介出来なかった方丈の襖絵や法堂の鳴き龍も素晴らしく、わざわざ見に行くだけの価値はあると思います。この秋お薦めの場所の一つですよ。

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