夏の旅2008~土佐紀行・竹林寺~
竹林寺は牧野植物園のすぐ隣にあり、南門から出ると目の前に仁王門が聳えています。四国霊場第三十一番札所として知られ、この日も大勢のお遍路さんがこの階段を登って行きました。
竹林寺の起源は724年(神亀元年)と古く、聖武天皇の勅願により行基によって開かれたとされています。聖武天皇が中国の五台山に登って文殊菩薩から教えを受けるという夢をご覧になった事から、日本においても五台山に似た地を探し出して文殊菩薩を祀る様に命じられ、土佐にあったこの地が選ばれたのでした。
竹林寺は江戸時代に土佐藩主の帰依を受けた事から寺運が隆盛し、土佐における宗教の中心地として栄える事となりました。そういう歴史を背景としているせいでしょうね、境内はとても整備されており、古寺にふさわしい風情にあふれています。
階段を登り切ったところで最初に目に入るのがこの五重塔です。この寺にはかつて古塔があったのですが、明治32年に倒れたままになっていました。その後、塔の再建がこの寺の悲願となっていたのですが、昭和55年に至ってようやく再建に漕ぎ着けたのがこの五重塔なのですね。最近の再建ながら総檜造の本格的な塔であり、かっちりとした造りで端正な印象を受ける姿です。
本尊の文殊菩薩を祀る本堂です。第2代の土佐藩主である山内忠義の寄進に依るもので、柿葺の屋根故かどこか軽快な感じを受けます。
竹林寺には弘法大師が修行したという由緒があり、その事から四国霊場の一つとして数えられています。これはその弘法大師をお祀りする大師堂で、やはり山内忠義の寄進によって建てられました。お遍路さんがまずお参りするのはこちらなのですね。
もう一つ、竹林寺には優れた庭園があると聞いていたのですが、残念ながら時間が無くて拝観する事が出来ませんでした。夢窓国師の作と言われ、高知三名園の一つとされているそうなので楽しみにしていたのですが、またこの次に来る時の楽しみとして取っておく事にします。
本当にここは良いお寺で、とても落ち着いた気持ちの良い境内でした。牧野植物園と共に、何度でも来たくなる場所の一つですね。
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