京都・洛中 祇園祭2008 曳初め~函谷鉾~
12日は5つの鉾で曳初めが行われました。その先鞭を付けるのが函谷鉾で、一番早い午後2時に曳初めが行われます。
曳初めは、一つには組み上がった鉾の試運転、そしてもう一つは観光客へのサービスという側面を持ちます。各鉾の曳初めには誰でも入る事が出来るため、一般人が祇園祭に参加出来る唯一と言って良いチャンスなのですね。ですから人気は高く、開始時間を待ちかねる様に曳き綱の周囲には人だかりが出来ます。
参加者に対する整理券の配布などは特に無く、要するに早い者勝ちです。曳き綱に掴まれるだけの人数が参加出来るのですが、やはりどうしても結構な数の人が溢れてしまいます。しかし心配は無用で、何往復か実施されるので、辛抱強く待っていれば大抵の場合は参加する事が出来るでしょう。それに時間があれば5基の鉾があるので、他の鉾に行くという手もあります。
鉾の進行方向の転換はごく簡単で、引き綱を一旦本体からはずし、反対側に綱を引きずり出して再び取り付けるというだけで済みます。このあたり、良くできているものだなと感心しますね。ちなみにこちらが本来の前面で、前掛けはフランスにある世界遺産の修道院「モン・サン・ミッシェル」を描いたタペストリーです。画面内には気球や飛行船まで描かれており、およそ京都とはまるで異なるイメージなのですが、祇園祭の懸装品には外国製の絨毯などは珍しくなく、特に違和感は感じません。
なお、この前掛けは平成10年に新調された新しいものであり、本来の前掛けは16世紀末に制作されたタペストリーで、旧約聖書創世記第24章の説話に取材したものとして知られています。そして、何と重要文化財に指定されているのですね。今は新しい方が掛けられていますが、もしかしたら巡行時にはそちらに掛け替えられるのかも知れません。
こちらは本来裏面である見送り側なのですが、復路の時なので進行方向になっているというちょっと珍しい絵ですね。これも曳初めならではの光景と言えるのでしょう。なお、本番の巡行時には、大きな見送りがここに掛けられる事になります。
今年初めての試みとして、各山鉾の重量が測定されるそうです。本番に先立つ試験として長刀鉾が計量されたそうですが、鉾だけの重さで7t、囃子方を含めると10tを超える程度になりそうだとの事でした。長刀鉾は比較的軽い部類に入るそうで、鉾によってはもっと重量が嵩むものもある事でしょうね。でも、さすがに鈴なりの人数で曳くととても軽くて、曳いているという実感はほとんどありませんでした。
高さはおよそ6階建てのビルに匹敵し、こうしてみると昔の人はつくづく凄い物を作ったものだと感心します。先人の知恵と情熱は本当に素晴らしいものがありますね。
明日は鶏鉾のレポートをお届けする予定です。
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