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2008.05.19

京都・洛北 葵祭~路頭の儀  警護の列から馬寮の列まで~

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一口に葵祭と言っても前儀までを含めると実に多岐に渡る行事があるのですが、一般には斎王代を初めとする行列「路頭の儀」の事を指すでしょう。この路頭の儀とは、天皇が国家の平安を願うために行った、上賀茂・下鴨両神社に弊物(お供え物)を奉納するための巡邏行が始まりとされます。現在では多分に観光目的となっていますが、神事そのものは継承されており、参加者にしても古代の職制、装束を忠実に再現した内容となっています。

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行列は、警護、内蔵寮の官、馬寮の官、女人列、勅使舞人陪従の5つからなり、全てを見終わるまで約1時間程掛かります。全てを一度に紹介するととても長くなってしまうので、今回は2度に分けてアップしたいと思います。

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行列は京都御所を出発した後、丸太町通と河原町通を経て下鴨神社へと至ります。そこで一通りの神事を済ませた後、下鴨本通から北大路通、そして賀茂街道を経て上賀茂神社へと向かうのですが、問題はどこで見るかですね。

最も人気があるのは京都御所と糺の森で、それぞれ御所の建物や森の緑を背景にすると、とても絵になる事でしょう。しかし、この2箇所については有料観覧席になっており、事前のチケット購入が必要となるため、注意が必要です。まだ御所の方は自由に見る事が出来る場所がある様ですが、糺の森については全く言って良い程自由なスペースは無く、チケットが無い場合は入り口で警官によって止められてしまいます。後で聞いたところでは、部分的には見る事が出来る場所もあったようですけどね。

ですから多くの人は手前の参道に陣取って見て居られるのですが、私は何も様子を知らずに糺の森に行ったものですから、森の入り口に出来た人垣の後ろから見る羽目に陥りました。おかけで、行列の全体の様子は判らず、撮れた写真もわずかです。これではならじと、上賀茂神社に向かう事にしました。

それにしても有料観覧席の事は両神社のホームページでは触れられておらず、京都新聞の特集ページにもありません。一体どこに書かれているのかと思ったのですが、京都市観光協会のページにありました。これって、随分と不親切ではありません事?私の様な初心者には、判りにくい事この上ないです。

もう一つのスポットは、賀茂街道になりますが、上賀茂神社に向かう途中に見た所、2時間以上前から場所取りが始まっていました。車が沢山行き交う所での場所取りはさぞかし大変だと思いますが、それくらいの根性が無いと良い写真は撮れないという事なのでしょうね。

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上賀茂神社の場合は、先の3つのポイントに比べると条件が少し悪くなります。見やすいという点では多分ここが一番ではないかと思うのですが、一の鳥居から先は下乗・下馬となっているため、全ての行列が徒歩になってしまうのです。当然牛車も入ってこられず、行列本来の姿を見る事が出来ません。ただし、斎王代が歩くのはここだけですし、割り切ってしまえばちゃんと祭を楽しむ事は可能です。それに、近くにはカキツバタの名所である大田神社社家の西村邸があり、待ち時間をつぶすにはもってこいの場所ではあります。そして、運が良ければやすらい花にも出会えますしね。

なお、ここも参道脇は有料席となっており、1人千円が必要です。(御所と糺の森は2千円で事前の購入が必要。上賀茂神社の場合は当日の購入。)でも、見るだけなら有料席の後ろからでも十分に可能ですよ。

さて、行列の紹介と行きましょう。あらかじめお断りしておきますが、何しろ初めて見た行列であるため、誰がどの役に該当するのかについては、少し心許ない部分があります。無論、一通り調べた上でアップしていますが、もし間違っている箇所があれば、コメント願えれば幸いです。

まず、行列の最初を行くのは、賀茂競馬でおなじみの乗尻です。ここまで騎乗にて行列を先導して来た彼らですが、ここからは馬を下りて徒歩での先導となります。今日もまたこの衣装で走馬の儀を行うのかと思っていたのですが、それは違ってましたね。

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ここからが行列の本番となります。まずは警護の列。

先頭を行くのは神社の神職の方で、その後ろに二人並んでいるのが素襖(すおう)という幕府から派遣された役人です。行列の先頭を行き、警護をするのが役目ですね。その後方の4人の桃色の衣装の人達は、火長(かちょう)という検非違使の下級役人で、素襖に従って警護の実務に当たる人達です。

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その後方から歩いて来るのは検非違使志(けびいしのさかん)であり、検非違使の長官から数えて四番目の位で六位に相当する官職なのだそうです。先頭の人がそうですが、いかにも警察官僚にふさわしい貫禄の持ち主ですね。

その背後に歩いているのは童であり、こういう偉いさんには必ず付いている様ですね。昔は主人の雑用を勤めたものなのでしょうか。なかなか可愛い化粧であり、沿道のご婦人方には大層な人気ぶりでしたよ。

左の緑の衣装の人は志に使える調度掛(ちょうどがけ)と呼ばれる役目で、志が馬に乗っている間は弓を持ち、矢を背負って歩行にて従います。

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検非違使の一隊はまだ続きます。この列の先頭を行くのが検非違使尉(けびいしのじょう)で、志の上役にあたり、五位の位に相当します。事実上この行列の警護の責任者になるのですね。

その背後に従うのが鉾持(ほこもち)で、尉の武器である鎖を持っているのだそうです。手にしているのは一見するとただの棒きれの様に見えるのですが、良く見ると先端になにやら金具が付いているらしく、やはり武器としての鉾なのでしょう。この方の衣装はとにかく奇抜で、行列の中でも一番ポップで目立っていました。

その後ろの二人が看督長(かどのおさ)で、現在で言えば巡査部長クラスなのかな。

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ここから内蔵寮の列に変わります。ここで先頭を行くのが山城使(やましろづかい)。山城国の次官であり、洛外(都の外は山城国司の管轄になる)に出た行列の警護の為に派遣されるのだそうです。

その背後の4人が手振(てぶり)と呼ばれる従者達で、鹿皮の敷物など、山城使のための調度品を運ぶ役目を持っています。

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ここから馬寮の官の列になります。ただし、本来これより前に居るべき衛士や内蔵寮史生が後から来ていたので、その区別が正しいのかどうかは良く判りません。また、この記事は上賀茂神社で配布されていたパンフレットを参考にしているのですが、もしかすると上賀茂に来るまでの行列とは順序が入れ替わっている可能性もあります。そのあたりの事情を、ご存知の方はおられませんか。

それはともかくとして、この写真の先頭を行くのが馬寮使(めりょうつかい)。左馬允(さまのじょう)という六位の武官で、神に照覧するための2頭の御馬を率いる役目を負います。

その後ろの薄赤い装束の人達が馬部(めぶ)と呼ばれる馬の世話役で、4人で一頭の馬を牽いていきます。2頭の御馬はそれぞれ左馬寮と右馬寮から一頭ずつ選ばれた馬との事で、菊の御紋が入った布で飾られていますね。

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パンフレットでは馬寮使より前になっているのですが、なぜか後から来た衛士(えじ 黒装束の二人)達です。彼らは御幣物唐櫃を守護する役目を負います。

その後ろの人物が内蔵寮史生(くらりょうのししょう) 、だと思います、たぶん。七位の文官で、下鴨、上賀茂の両社に各一名ずつ派遣され、上職の内蔵使に御幣物を手渡す役目を負います。

そして判らないのが、そのさらに後方に居る人物です。それなりの位を持った役人の様なのですが、調べた限りでは出てきません。どなたか教えて頂けませんか?

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行列に彩りを添えるための風流傘(ふりゅうがさ)です。いくつかあるのですが、これは大きい方の傘で、相当な重さがあるらしく、巡行中には4人が順番に交代して持ち手に当たる様です。糺の森の前ではこの傘が大きく傾いたので、驚きの声が上がっていました。これを運ぶのは結構大変みたいですよ。

以下、明日に続きます。

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コメント

私も普段はTV中継の葵祭しかしらないので何処で見るかがポイントでした。下鴨神社までは人が多いだろうと上賀茂神社先頭到着予定が15:30なのを確認して上賀茂神社へさき周り。一の鳥居まで行ったのですが有料観覧席であるのを見てどのくらいの混雑ぶりになるかわからないので御園橋付近へ移動しました。
やはり、行き当たりばったりではいいポイントを押さえられませんね。(^_^;)

葵祭もいろいろと関連行事があるのを知って驚きました。
まだまだ、奥が深いです。

投稿: Milk | 2008.05.20 11:26

御苑と加茂街道で見ましたが、馬の順番は内蔵寮史生、馬、馬寮使でした。(徒歩の人たちは写真に撮ってなく、記憶もありません。)
上賀茂神社で順番が変わったのでしょうね。

で、内蔵寮史生ですが、2騎あったんじゃないでしょうか?
後ろに映っている人の方が前を騎乗していて、テレビ中継では「内蔵寮史生」と解説していました。
その直ぐ後ろを騎乗している人へはノーコメントだったので、てっきり同じ役目だと思ってました。

投稿: うさぎ | 2008.05.20 12:21

Milkさん、

私もちょっと葵祭を甘く見ていました。
これほど人出が多いとは思ってなかったですからね。
うろうろとした分、ロスが多かったです。
でもやすらい花も見る事が出来たし、
行っただけの甲斐はあったと思ってます。

出来る事なら来年また見てみたいですね。
今度は下鴨神社を中心に神事を追ってみようかな。
流鏑馬なんか面白そうですね。

投稿: なおくん | 2008.05.20 21:21

うさぎさん、

そうか、もう1人の内蔵寮史生ですか。
下鴨神社と上賀茂神社にそれぞれ1人ずつ派遣される事は知っていたのですが、
1人は下鴨神社止まりだと思ってました。
なるほど、行列としては最後まで同行していたのですね。

これで疑問が解けたという気がしています。
ありがとうございました。

投稿: なおくん | 2008.05.20 21:26

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