恋する京都 ロケ地案内~大沢池 石仏群~
恋する京都のロケ地案内、今回ご紹介するのは大沢池にある石仏群です。ドラマでは第3回「鹿ケ谷かぼちゃは初恋のときめき」において登場しました。
50年前にたった一度だけ出会ったあこがれの人「晴雄」を捜す斉藤菊が、その思い出の地として志乃と共に訪れたのがこの石仏群です。京都には何度も来ているという菊のために、晴雄がとっておきと言って連れてきてくれたのがこの場所だったのでした。
そしてまた、この石仏群は志乃にとっても思い入れがありました。タイの石仏に惚れ込んでいた太郎を、ここに案内した事があったからです。太郎はここがとても気に入り、その時撮った写真が菊の目に止まったのでした。
この石仏群は平安時代後期から鎌倉時代にかけてのものと推定されています。写真中央にある石仏が大日如来であり、左右に居並ぶ阿弥陀如来、釈迦如来、薬師如来、地蔵菩薩と共に胎蔵界五仏を形成しているのではないかと言われています。
確かに趣のある石仏群ではあるのですが、これだけを見せる為にわざわざ連れてきたという設定は、いささか無理があります。石仏に対する強い思い入れがあった太郎相手ならともかく、単に京都通というだけで引っ張って来る程の場所とは思えないのです。無論、大覚寺や大沢池を見に来たついでというのなら判るのですけどね。
ここはやはりタイの石仏に似ているという理由で、ロケ地に選ばれたという事なのでしょう。志乃と太郎、タイと京都を結ぶエピソードを描くための舞台装置として、この石仏群が必要だったものと思われます。
どうせなら大沢池を巡って池越しに多宝塔でも眺めそうなものなのですが、そうしなかったのは50年前にはその塔がまだ無かったからなのでしょう。ドラマの中でも、石仏のすぐ背後に聳える多宝塔には、一言も触れていなかったですからね。
ドラマでは初冬の景色だった大沢池でしたが、訪れた日(5月17日)は初夏の光と緑に溢れていました。その池の景色は明日アップする事といたします。
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