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2008.02.18

恋する京都 ロケ地案内~先斗町~

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恋する京都のロケ地を巡るシリーズ、まずは先斗町から始めましょうか。

先斗町は鴨川のすぐ西に位置し、四条から三条までの間の細い石畳の道筋の両側に連なる町並みを指します。どれだけ道が細いかと言えば、大人二人が並んで歩くとほぼ道幅が一杯になってしまう程で、ここを歩く時には譲り合いの精神が不可欠です。先斗町は京都に五つある花街のうちの一つなのですが、この道幅の狭さから来る独特の風情が、この町の持つ特色の一つと言えるでしょう。

また、道の東側に位置する店は鴨川にも面しており、ほとんどの店が京都の夏の風物詩である床を出しています。この床を持つという事も、他の花街には無い持ち味の一つでょうね。

さらには、お茶屋のみならず一般の飲食店が多い事も特徴で、隣接する木屋町とは数多くの路地で繋がっており、二つの町が事実上一体化しつつある様にも見受けられます。

そんな中でも花街の伝統は頑なに守られており、その中心となっているのが先斗町歌舞練場です。恋する京都においても何度も登場していますが、普段は舞妓・芸妓の稽古場として、そして毎年5月には鴨川踊りの会場として使われています。

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恋する京都の主役である志乃は芸妓、その妹筋にあたる桃香は舞妓にあたります。舞妓と芸妓の違いは年齢にあり、20歳になると舞妓は襟替えをして芸妓へと変わるのです。一般に舞妓の方がもて囃されますが、実際に芸や座持ちが達者なのは芸妓の方であり、舞妓はまだまだ修行中というのが実情の様ですね。

ではなぜ舞妓の方が人気があるかと言うと、やはり圧倒的に数が少ないという事、それに初心である事が粋人には新鮮に映るのでしょう。両者の見分け方は髪型や化粧の仕方など色々ある様ですが、手っ取り早いのは帯を見る事で、舞妓は帯を垂らした「だらりの帯」、芸妓は普通に結んだ帯をしています。だらりの帯は華やかではあるものの、花街の世界ではまだまだ半人前であるという印でもあるのですね。

なお、私は見た事がありませんが、仕込みから舞妓に上がる直前にする半だらりという帯もあるそうです。

花街においては屋形(置屋)とお茶屋の二通りの店があり、客が上がって遊ぶのがお茶屋、芸妓・舞妓が所属しているのは屋形と呼ばれます。お茶屋は客が来ると屋形に連絡して、芸妓や舞妓を呼ぶ訳ですね。この時、料理は仕出屋に頼むのが普通で、お茶屋とは貸座敷業、すなわち客に部屋を提供し、客の求めに応じて遊びをコーディネイトする稼業と言えば判りやすいでしょうか。

屋形では舞妓志望者を入れ、一人前になるまで面倒を見ます。この間、衣装や食費など必要な経費は全て屋形で負担し、一人前の舞妓になればその稼ぎから回収して行きます。この額は結構大きく、一説によると3千万円程度になるそうですね。その借金を返す期間を年季と言い、年季が明けるまでは舞妓・芸妓は屋形に住み込む事になります。年季が明ければ独立した自前の芸妓として屋形を出る事が許される訳ですが、志乃はこの自前芸妓という事になりますね。

ただ、年季も明けないままに飛び出した舞妓が、そう簡単に元の世界に戻る事が許されるものかどうかは判りません。相当なゴタゴタがあったであろう事は容易に想像出来ますが、ドラマにおいては遊心が全てを引き受けたと言ってましたから、彼女が裏で動いて、事態を丸く収めたという事なのでしょう。実際、お寺さんは花街の上得意と聞きますからね...。

それはさておき、志乃の日常を見ていると随分と余裕がある様ですが、実際の芸妓達の日常は、夜のお座敷の他に稽古とあいさつ廻りに明け暮れており、それほど優雅なものでは無い様です。自前芸妓ともなれば、屋形でやってくれる雑務も全てこなさなければならないでしょうから、なおさらでしょうね。

歌舞練場における稽古の種類は多岐に及び、踊りの他にお茶、お花、長唄、小唄、三味線など、様々な芸を習得して行かなければなりません。その修行の厳しさも、ドラマにおいて桃香が手ひどく叱られていた様に相当なものの様ですね。

このあたりの事情が判る興味深いサイトを見つけました。咲くちゃん日記というのがそれで、先斗町の現役の芸妓さんが綴っておられるブログです。過去の記事を見ていけば、それこそドラマ出てきた様な稽古風景が沢山掲載されており、なるほどあの世界は現実にあるのだと実感出来ますよ。花街の内側を知りたい人には、最適のサイトかも知れません。

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