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2008.02.20

恋する京都 ロケ地案内~清閑寺~

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恋する京都で遊山寺として描かれているのが、この清閑寺です。(写真は以前に撮ったものを使用しているため、今と季節が合わない事をあらかじめお断りしておきます。)

まず、清閑寺についての概略を記します。

清閑寺は、802年(延暦21年)紹継により天台宗の寺として創建されました。その後一時寂れた時期があったのですが、一条天皇条在位中(986年~1011年)に佐伯公行により再興されています。本尊は菅原道真が梅の木で自ら彫ったという十一面観音像で、再興後は清水寺と並ぶ大寺として栄えたていたのですが、応仁の乱によって荒廃し、以後元に復する事はありませんでした。

そして、慶長年間(1596年~1615年)に今の規模で復興された際に、真言宗智山派の寺となっています。つまり、現在は智積院の末寺にあたる訳ですね。

また、ここは「平家物語」に出てくる小督局ゆかりの寺として知られ、小督局は高倉天皇の寵愛を受けた事が平清盛の怒りに触れ、ここで出家させらました。小督局23歳のときで、そのままここで亡くなったと伝えられます。そして、高倉天皇の遺言により、小督局の眠るこの地に天皇の陵墓が築かれています。

この階段はドラマにおいては、子供達が書道教室に通うシーン、晶達が学芸会の練習に通うシーンなど、度々登場していますね。

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門を入ってすぐに目に付くのかこの本堂です。これもドラマに頻出する建物ですね。一見して判る様に、背後にはすぐ山が迫っており、ドラマにあった書道教室の建物はここには存在しません。あの部分は妙心寺の塔頭大法院であり、あたかも一体であるかのように編集されているのですね。

その大法院ですが、普段は非公開であり、春と秋に特別公開が行われている様です。佐久間象山の墓がある事でも知られていますが、残念ながら私はまだ行った事はなく、画像はありません。後日機会があれば記事としてまとめてアップしたいと思ってます。

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境内の西にあるのが要石です。向こう側の景色が扇の形の様に見えるでしょう?その扇の要の位置にある石である事から、この名で呼ばれる様になりました。

この石に願を掛けると叶うと言われているのですが、ドラマではこの石の前に縁結び地蔵が置かれていました。縁結び地蔵は恋愛に特化してはいますが、願い事にご利益があるという点では、この要石の言い伝えを踏襲していたとも言えますね。

ところで、この寺に恋愛成就のご利益があるという話は聞きませんが、先に触れた小督局と高倉天皇の悲恋からシナリオのヒントを得たものだったのかも知れないですね。さらには、大根炊きという行事もありませんので、ドラマを見てあまり多くを期待しすぎると、がっかりする事になるかも知れません。

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第3話で大晦日のシーンがありましたが、志乃達が除夜の鐘を撞いていたのがこの鐘楼です。ただ、実際に大晦日に撞かせて貰えるかというと良く判りません。調べた限りでは参拝者が撞ける寺には入っていないので、無理ではないかと思うのですが。

ちっょと気になるのが手前にある石碑で、ドラマでも一部が映っていました。大西郷とあるのですが、これはあの西郷隆盛の事です。

丁度いま大河ドラマ「篤姫」の脇役として登場していますが、その西郷が清水寺の勤皇僧・月照と共に朝廷工作をしていた際に、謀議の場所として使っていたのがこの鐘楼の背後にあった郭公亭という茶室でした。今は解体されてしまっており跡形も無いのですが、わずかに小さな門だけがその名残を留めています。

郭公亭は篤姫の中に出てくるか、せめて縁の場所として紹介されるかと思っているのですが、どんなものでしょうね。


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