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2007.08.14

夏の旅・尾道紀行 ~尾道三山・千光寺~

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尾道は、言うまでもなく海運と共に発展してきた港町です。その一方で、数多くの寺と共に栄えてきた門前町としてのもう一つの顔も持っています。

尾道の成り立ちを語る場合、尾道三山という言葉が出てきます。千光寺山、西国寺山、浄土寺山の事を指し、それぞれ真言宗の大寺を抱えています。この三山を中心にして数多くの寺が建てられ、門前町が発達したのが今の尾道の原型となったのでした。

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その中で最も有名な寺が千光寺でしょう。千光寺は弘法大師によって開かれたという伝説を持つ真言宗の寺で、三十三年に一度公開されるという千手観音を御本尊とします。この御仏は火伏せの観音とも称せられ、火除けの御利益があると信仰を集めて来ました。今では所願に御利益があるとして、多くの参拝者を集めています。

その境内にあり、尾道のシンボルとも言うべき岩がこの玉の岩で、その先端に乗っているのが宝珠です。今は人造の電球が乗っているのに過ぎませんが、かつては光る天然の珠があり、日夜尾道の町を明るく照らしていました。この光りに照らされた海の事を珠の浦と呼ぶのだそうです。

ある時この光る宝珠を見た外国人が、これを買い取りたいと申し出てきました。尾道の人たちは、これを売ったところで巨岩ごと運べるはずもないと、この申し出を承知してしまいます。持ち主が変わっても宝珠がここにある事には変わりなく、丸儲けに等しいと考えたのですね。

ところが、相手は一枚も二枚も上手でした。岩から宝珠だけを掘り出し、さっさと持って行ってしまったのです。今でもこの岩の頂部には40cm程度の穴が開いているのですが、それが宝珠のあった跡だと言われています。この宝珠は海外に運ぶ途中で海に落ちてしまい、その事から尾道の海を珠の浦と呼ぶ様になったという伝説もあるようですね。

出し抜かれた尾道の人たちが後悔しても後の祭りでした。それでも残った玉の岩に灯りをともし、灯台の代わりとしたと言うのですから、やはりこの岩に寄せる思いは浅からぬものがあったという事なのでしょうね。

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千光寺山は別名大宝山とも言い、寺はその山腹の140mほどの高さにあります。階段を登ると大変な目に遭うのですが、こうして真下から見上げると意外な程に近くに感じますね。

玉の岩の左の木立の中に半ば隠れているのが本堂で、清水寺に似た舞台造りになっています。何と言ってもその赤い姿が印象的で、林芙美子が千光寺の赤い塔と呼んでいるのがこの本堂の事なのだそうですね。

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この鐘が志賀直哉の暗夜行路に出てきた千光寺の鐘で、今でも時の鐘として生きています。大晦日の行く年来る年に何度も登場しており、ご覧になった方も多いでしょう。

この鐘楼からの眺望は素晴らしく、ここから尾道の町を見渡しながら鐘を撞くのは、まさに町中に時を知らせているという実感がありそうで、何とも言えずに気持ち良い事でしょうね。(なお、この鐘は時の鐘であるため、一般人は撞く事は出来ません。)

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千光寺の境内にはそこかしこに巨岩があります。玉の岩の他にもこの三重岩、ぽんぽん岩、鏡岩などがあり、古代にはここが磐座(いわくら)だったのではないかと考える人も居る様ですね。これらの巨岩も千光寺の見所の一つになっています。

千光寺は現世利益の追求に溢れたかの様な寺です。それだけに俗っぽくはありますが、そこは尾道一の名刹であり、やはり一度は訪れておきたい場所ですね。

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コメント

千光寺へは今年のお正月に初詣に行きました。
夜ではなく昼間ですが人が絶えず下から上がってきて参詣の行列が絶えませんでしたよ。
ここからの見晴らしは私も大好きです。

投稿: ひちゃこ | 2007.08.15 00:40

ひちゃこさん、コメントありがとうございます。

なるほど、初詣が千光寺でしたか。
初春の山頂の空気は澄んでいて、
さぞかし清々しい思いをされた事でしょうね。

地元の人はロープウエイは使わず、階段を登られるのでしょうか。
だとすれば、二年参りの人は懐中電灯持参なのでしょうね。
一度は行ってみたいな。

今年の大晦日にここが映るかどうか、
密かに楽しみにしているところです。

投稿: なおくん | 2007.08.15 19:47

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