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2006.10.01

ねねの寺 高台寺 ~功名が辻~

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豊臣秀吉亡き後、その菩提を弔うために北政所(ねね)が建てた寺が高台寺です。開創は1606年(慶長11年)の事で、大阪城に拠る淀殿~秀頼ラインに対する牽制の意味があったのでしょう、徳川家康が大規模な財政援助を行ない、壮大な規模を誇る寺に仕立て上げました。

その後の度重なる火災で多くの堂宇が失われ、かつ明治以後は税金対策の意味もあって境内地を次々に手放した為に現在の寺域にまで縮小してしまいましたが、石塀小路のあたりまでを含めて付近一帯が全て高台寺の境内であったと言えば、おおよその見当が付くことでしょう。

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高台寺は、最初は曹洞宗の寺として始まったのですが、1624年(寛永元年)7月に建仁寺の三江紹益を中興開山に招聘し、臨済宗へと改宗しました。これは、北政所の兄である木下家定が三江紹益と親交があった事が関係していると考えられています。

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北政所は秀吉の死後に出家し、「高台院湖月尼」と号しました。高台寺の名はここから来ている訳ですが、三江紹益を迎えたその年の9月に高台院は亡くなり、亡骸は境内の一角にある霊屋の下に葬られました。

この霊屋は1605年(慶長10年)の建立で、内部には中央の厨子に大随求菩薩を祀り、向かって右の厨子に秀吉像、左の厨子には北政所が片膝立座法をしている木像が安置されています。この膝を立てて座る姿は当時の高貴な女性の正式な作法とされていたものですが、そうとは知らない人がこれを見て「北政所は下賤の出であるが故に不作法な人だった」と言い立てて、一時期話題になった事もあります。なお、北政所は、この自身の木造の下に葬られているとの事です。

また、厨子や須弥壇には秋草や松竹などの華麗な蒔絵が施されており、安土桃山時代の漆工芸の粋を集めた傑作として、高台寺蒔絵の名で呼ばれています。

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高台寺には、いくつかの茶室が現存しています。この遺芳庵は現在の見学コースでは最初に目にすることになる茶室で、安土桃山期の豪商である灰屋紹益が、その夫人の吉野太夫をしのんで建てたものと伝えられます。正面の壁全面に開けられた大きな丸窓が特徴で、婦人の名にちなんで吉野窓と呼ばれています。

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こちらは、東の高台に立つ傘亭。千利休の意匠による茶席であり、伏見城から移築したと伝えられます。天井が竹で放射状に組まれており、その形が唐傘の様に見える事から傘亭と呼ばれています。正確には安閑窟といい、重要文化財に指定されています。

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傘亭と並んで建っている時雨亭です。傘亭と同じく利休作と伝えられ、伏見城から移築したものとされています。茶室にしては珍しく2階建てになっており、茶席は2階にしつらえられています。茶会の時は写真の様に扉を全て開き、自然の風や音を感じながらお茶を頂くという趣向になっています。重要文化財。

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実は、高台寺の中に入ったのは20年ぶりの事なのですが、すっかり観光化されているのには驚きました。以前は非公開が原則で、特別公開がある時にだけ入る事が出来たのです。常時公開になったのは10年ほど前からの事でしょうか。以来、周辺が急速に整備されて来たのは知っていましたが、内部も随分と手が入っていたのですね。優れた文化財に触れられるのは嬉しいのですが、あまりにも俗化されてしまうのもどうかなと思ってしまいます。

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とは言え、庭園の素晴らしさには変わりなく、秋の紅葉シーズンを迎えれば、どんなにか見事だろうと思わずには居られません。もみじの色付く頃、もう一度ここを訪れてみようかなとも思っています。


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コメント

前回京都を歩いた時に、高台寺にも足を運びました。想像以上に敷地が広いと感じました。ライトアップされる夕暮れ時から夜間にかけて歩いたので、次は昼間見学に行きたいです。
私のようにたまにしか行けない者には常時観覧できるのはありがたいですが、観光化、難しい問題ですね。

投稿: ヒロ子 | 2006.10.03 22:25

ヒロ子さん、コメントありがとうございます。
ライトアップも綺麗だった事でしょうね。さぞ幻想的な光景が広がっていたことでしょう。
昼に来られるのなら、
やっぱり桜か紅葉の時期が一番でしょうね。参拝客の数も半端では無いでしょうけど。

私も常時公開自体は問題無いと思うのです。
ただ、あまりにも整備されすぎなのが気になるのですよ。
周辺の木を伐採して見晴らしを良くしたり、土産物屋を建ててみたりと、
なんだかなあという気がしてしまいます。
庭も以前より綺麗になっていたような...。
そういうのを見てしまうと、以前の静かな環境が良かったなあと思ってしまうのですよね。
バランスの問題と思うのですが、なかなか難しいところではありますね。

投稿: なおくん | 2006.10.03 22:51

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