京都・洛中 相国寺塔頭・大光明寺
相国寺の方丈の西隣に建つ大光明寺。塔頭とは言いながら、相国寺とは別の歴史を辿ってきた寺です。
大光明寺は、1339年(暦応2年)に、後伏見天皇の皇后である広義門院によって開創されました。門院は夢窓疎石国師に深く帰依され、禅学を修されていました。そして帝が薨去されると落飾され、国師を開山に迎えて一堂を建立し、自らの法号をもって大光明寺と名付けられたのでした。
大光明寺は、当初は伏見桃山の地にあって伏見家の菩提寺とされていたのですが、応仁の乱によって荒廃してしまいます。その後、豊臣秀吉の手によって復興し、さらに1614年(慶長19年)に徳川家康によって現在地に移され、相国寺の塔頭となり現在に至っています。
大光明寺の門には柵がされており、一見して拝観拒絶の寺の様に見えます。しかし、右にある潜り戸が開いており、中に入ることが出来る様になっています。そして、建物の中は拝観する事が出来ませんが、二つある庭は自由に見ることが許されています。
門の中に入ってすぐにある庭が峨眉山の庭。黒々とした石と老松からなる枯山水の庭で、峨眉山の険しさと、禅の修行の厳しさを表しているとされます。
中門を入ると「心字の庭」が広がっています。「心字」とは、石組みの配置が心の文字を象った様に見えるところから名付けられましたもの。苔に縁取られた石が白砂の中に点在する、とても落ち着いた風情のある庭で、修行を経た後の悟りの境地を表すとされています。
「心字の庭」は、竜安寺の石庭にも似た枯山水の庭で、名庭と言えると思います。これだけの庭を自由に拝観出来るところは他には無いと言って良く、しかも如何にも門内に入りにくいからでしょうか、訪れる人はほとんど居らず、まさに穴場中の穴場ですね。
門を出て塀沿いに歩いていると、土塀越しに酔芙蓉が咲いていました。まだ朝のうちだったので、花は白いままですね。秋空に映えてとても綺麗でしたよ。
大光明寺は静かな寺で、方丈の縁側に座っていると聞こえてくるのは風の音と鳥の声だけです。時間の経つのも忘れ、何時までも眺めていたくなるような本当に素敵な庭でした。
拝観時間は6時から17時まで。拝観料は無料です。
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