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2006.09.05

京都・洛中 相国寺塔頭瑞春院 ~雁の寺~

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以前も紹介した事がある相国寺塔頭の瑞春院、通称「雁の寺」を訪れてきました。瑞春院は普段の拝観には予約が必要なのですが、平成18年9月30日まで「京の夏旅キャンペーン」の一環として特別公開が行われています。

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この寺は、作家水上勉が少年時代に得度し、雛僧として禅の修行を積んだ場所であり、小説「雁の寺」の舞台となった事で有名になりました。

「雁の寺」は、若狭の寒村から京都の禅寺に修行に出された少年捨吉が、厳しい禅の修行に明け暮れる中で、禅寺を覆っていた退廃に次第に絶望し、遂には師僧を殺して出奔するというストーリーです。その中で、襖絵の母子の雁が印象的に描かれ、捨吉は出奔する時にその絵を剥がしていくというラストを迎えます。捨吉は遊行の芸人である瞽女(ごぜ)の子として産まれ、村の宮大工の家に引き取られて育ったのですが、薄々ながら自分はこの家の子では無いと気付いていました。そうした不幸な生い立ちから、母子の雁の絵に心を惹かれるものがあったのですね。

瑞春院には、この小説に出てくる雁の絵が今でも残っており、今回の特別拝観でも見る事が出来ます。上田萬秋の筆に依る水墨画ですが、極めてリアルに描かれており、あたかも生きた雁を目の前にしているかのごとく感じられます。

ただ、「雁の寺」は水上勉の実体験を反映しているとされますが、実際に見たのはこの絵ではなく、別にある孔雀の絵ではなかったかと言われます。なぜなら、雁の絵は住職の部屋にあり、小僧であった水上氏が入れる場所ではなかったためで、幼い水上氏は孔雀を雁と誤認していたのではないかとされています。その今尾景年筆による孔雀の絵も公開されており、金泥の襖に描かれた見事な孔雀が拝観者を出迎えてくれます。

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瑞春院は足利義満が建立した雲頂院を前身とします。雲頂院は兵火で焼失してしまったのですが、この雲頂庭と呼ばれる庭にその名を止めています。この庭は相国寺では最古のものと言われ、室町時代の石組みが今も残っているとされています。木立に覆われた、見ていると心が落ち着いてくる、穏やかな感じのする庭ですね。

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北庭である雲泉庭とその向こう側にある書院の雲泉軒です。

雲泉庭は、夢窓国師の作風を取り入れて作庭したとされる池泉観賞式庭園です。村岡正氏(文化功労授賞)の作と言いますから、比較的最近に整備されたものの様ですね。ここでは庭に降りるためのスリッパが用意されていおり、池を巡りながら雲泉軒に向かう様になっています。この日は池畔にある蓮の花が既に終わっており、彩りが少なくてちょっと残念でした。

雲泉軒は直径2mの台湾檜を主材として構築されたとされますが、ガラス戸が多用されており、お寺と言うよりは料亭の離れの様だと言ったら叱られるでしょうか。ここの見所は書斎の窓にあり、ガラスが嵌められた火頭窓から外を眺めると、庭にしつらえられた柚木灯籠と、遠くに見える檜の木立が渾然と一体となり、あたかも一幅の絵のを見るかの様な見事な景色になっています。

また、狩野探幽筆の「陶渕明 春秋山水図 三幅対」、狩野安信筆「鐘馗 牡丹 竹に虎 三幅対」、狩野常信筆「朱衣達磨」などの掛け軸もここで見ることが出来ます。 

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瑞春院のもう一つの見所が水琴窟です。雲泉軒へと通じる通路の傍にしつらえられており、地面から突きだした2本の竹に耳を付けて、地下で奏でられる妙音を聞くという趣向です。その音は何とも言えない不思議なもので、ピアノの様でもあり、また琴の音の様でもある、とても神秘的な響きですね。なお、水琴窟は本堂の端にも設置されており、そちらでも聞く事が出来る様になっています。  

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瑞春院の拝観料は600円、拝観時間は午前10時から午後4時までとなっています。水上文学のファンならもちろんの事、そうでなくても一見の価値はあります。出来れば、小説を一読しておくと、よりいっそう興味深く拝観することが出来ると思いますよ。

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ハローワーク詣のついでに、相国寺瑞春院へ参る。 相国寺瑞春院は、 作家水上勉が幼少の時分に口べらしに小坊主に出されたところで、 早朝の掃除らやの雑用が大変で、 もう、やってやれるか!と飛び出した。 その苦しい経験を描いた小説『雁の寺』が直木賞を受賞、 水上... [続きを読む]

受信: 2006.09.07 21:42

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