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2006.08.18

坊ちゃんの世界 ~五志喜~

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「ある日の晩大町と云う所を散歩していたら郵便局の隣りに蕎麦とかいて、下に東京と注を加えた看板があった。おれは蕎麦が大好きである。東京に居った時でも蕎麦屋の前を通って薬味の香いをかぐと、どうしても暖簾がくぐりたくなった。今日までは数学と骨董で蕎麦を忘れていたが、こうして看板を見ると素通りが出来なくなる。ついでだから一杯食って行こうと思って上がり込んだ。」(夏目漱石 「坊ちゃん」より)

大街道からほど近いところに松山中央郵便局があります。その隣にあるのは蕎麦屋ではなく、五色素麺で知られる「五志喜」という郷土料理の店でした。創業300年近くになるという老舗であり、漱石もきっとここを知っていた事でしょう。同じ麺類から蕎麦屋を連想したと言う説は、ちょっと無理があるかなあ...。

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五色素麺とは白の素麺をベースに、黄(卵)、緑(抹茶)、赤(梅肉)、茶(蕎麦)の色を付けたもので、器によそうと五色が絡み合って、とてもカラフルにかつ涼しげに見えます。正岡子規は、「文月のものよ五色の絲そうめん」と詠んでおり、昔から夏の風物詩として定着していた様ですね。

この日頂いたのは「鯛飯そうめん」の松です。「鯛めし」もまた松山の郷土料理なのですね。宿泊先の古湧園の夕食でも出てきましたが、洗練された味わいの古湧園に対し、こちらはいかにも郷土料理らしい素朴な味わいです。どちらが上と言う訳ではなく、両方が味わえたのはついていたと思います。五色そうめんもまた見た目が美しく、そしてなかなか美味しかったですよ。

ちょっと面白いと思ったのが、「松」「竹」「梅」の3ランクがあった場合、大阪周辺では「松」が一番上に来るのですが、ここでは一番下になるのですね。このランク付けが地方によって違いがあるというのは初めて知りました。

この日は平日だったのですが、五志喜には観光客ばかりでなく、近くの勤め人と思われる人達も昼食を食べに訪れていました。古くから松山に根付いた店らしく、地元の人から今も愛され続けているのですね。

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