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2005.08.02

義経 30

義経 第30回 「忍び寄る魔の手」

平家追討軍から外された義経は、検非違使としての任務に励んでいました。宿所に帰った義経に向かって、軍勢に加われなかった事に不満を漏らす郎党達ですが、義経は御家人としての勤めに軽重はないと彼らを諫めます。

義経を出迎えに現れ、あいさつをする萌。その時、外からうつぼが叫ぶ声が聞こえてきました。慌てて飛び出る次郎と三郎。外では喜三太が、中に乗り込もうとしているうつぼを、懸命に押さえています。うつぼは、義経が静以外の女性を正室として迎えた事が我慢ならない様子です。そこに現れた静を見て、やっとおとなしくなるうつぼ。

静の部屋に案内されたうつぼは彼女の立場に同情しますが、静は自分のおかれた境遇を良く理解しており、自立した彼女の言葉によって、うつぼはかえって慰められる思いがします。正室という女性の出現によって、ふたりの間に新たな友情が芽生えた様子です。

山陽道。彦島に拠る知盛の攻勢に悩まされ、思うように進軍出来ない範頼の軍勢。

京、六条御所。義経を検非違使尉に任官した事で、頼朝との間に楔が打てたと満足げな後白河法皇と丹後の局。法皇は、義経のさらなる活躍の場を与えるべく、検非違使別当に命を下します。

都大路に跳梁する野盗の群れ。義経は彼らを鎮めるために、旧知の朱雀翁に頼んで主な野盗達を一カ所に集めて貰いました。彼らの中に一人で乗り込んだ義経は、五足や烏丸の仲間であった彼らを良く覚えており、検非違使としてではなく、かつて「牛」と呼ばれた自分に協力してくれる様に頼みます。都から飢えや孤児、盗賊を無くしたいと願う義経の言葉に、次々とうなずいていく野盗達。

検非違使として見事に勤めを果たした義経に、後白河法皇は従五位下に任ずると伝えます。しかし義経は、頼朝の許しを得たいと返事を保留します。

鎌倉、大倉御所。義経から従五位下を受けても良いかという書状を読む頼朝。彼は義経が自分の立場を忘れていた訳ではないと理解を示しますが、その一方で「九郎判官義経」と自分の許しを得ずに賜った官位を名乗っている事に懸念を抱きます。義経をどう見れば良いのかと迷う頼朝に、法皇と義経の分別を見るために、あえて返事は出すなと助言する政子。それを聞き、法皇から自分の下に伺いを立ててくるかと期待を抱く頼朝。

京、義経の宿所。頼朝からの返事が無いままに時が過ぎ、法皇から直々の招きを受けて去就に迷う義経。策士である法皇の出方を懸念する弁慶と佐藤継信ですが、義経は母の言葉を思い出しつつ、用心しながら法皇に会う決意をします。

法皇の指定した場所は、とある寺でした。義経と2人きりで会った法皇は、わざわざ彼を寺に招いたのは、母を亡くした義経を慰める為であったと言い、自らも同じ思いを味わったと義経に明かします。そして、義経と同じく肉親と縁薄い境遇に育だち、寂しい思いを味わったという法皇は、裏切る事無く自分の力になってくれる者が欲しいのだと義経に告げます。親子兄弟が離ればなれになる事が無い世の中を作りたいという法皇の言葉を聞き、遂に法皇に忠誠を誓う義経。法皇は義経の肩を叩きながら、これからも力になって欲しいと頼みます。隣室で、義経を虜にした事を密かに喜ぶ丹後局。

暫く後、従五位下を受諾した義経。頼朝の出方を懸念する弁慶ですが、義経はこれ以上は断れないとし、これからの働きぶりを頼朝に見せることで理解して貰う外はないと答えます。

静の部屋。あまりに吉事が続くことに、かえって不安を覚える静。心配は要らないと答える義経ですが、静は用心する様にと義経に告げます。


西国に向かった範頼を悩ませていたのは、知盛の軍勢だけではなく、兵糧の不足でした。この頃の軍勢は補給という概念が無く、食料は現地調達を行う事が常識でした。しかし、この時期の西国は深刻な飢饉に見舞われており、源氏の大軍をまかなうほどの食料は、どこを探しても見つけられる状況にありませんでした。このため、範頼の軍は大いに志気が落ち、思うように行軍が出来なくなって行きます。ただし、一方的に負けてばかりかと言うとそうでもなく、備前の児島で平資盛が率いる軍と戦った際には、佐々木三郎盛綱の奇計によってこれを大いに打ち破るという成果を上げています。

検非違使としての義経の働きは、特に何も伝わっていません。ドラマで義経を活躍させたのは、彼をさらに栄達させる理由を作る為なのでしょう。朱雀翁や五足は架空の人物であり、義経が盗賊達と顔見知りであったという事は無かったでしょうね。でもこのドラマの義経の考える理想の世とは、家族が離ればなれにならずに済み、まだ誰もが安穏に暮らしていける世界という、極めて情緒的なものである事が改めて浮き彫りにされています。理詰めに考えていく頼朝とは好対照に描かれている訳ですね。

以下、明日に続きます。

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