新選組続編決定、嬉しいな~京都 洛東 金戒光明寺~
京都洛東の地に佇む金戒光明寺。その正式名よりも、通称の「黒谷」と言ったほうが通りの良い寺です。
黒谷は、知恩院、清浄華院、百万遍知恩寺と共に浄土宗四ケ本山の1つ。比叡山を降りた法然が、1175年(承安5年)に師の叡空からこの地にあった比叡山の白河禅房を譲られ、念仏道場を構えた事がその始まりとされます。山頂の石の上でお念仏をされた時、紫雲全山にみなぎり光明があたりを照らしたことから 、山号を紫雲山、寺名を光明寺とされました。そして法然の没後、後光厳天皇在位中に(1352年~70年)金戒の文字を賜り、金戒光明寺と号するようになっています。
そして、大河ドラマ「新選組」のファンなら、この門を見ると「ラ、ラ、ラ、ラ、ラララ~。」と歌が聞こえて来るのではないでしょうか。1862年(文久2年)12月24日、会津藩主松平容保が京都守護職として上洛し、本陣を構えたのがここ金戒光明寺でした。元々徳川幕府は京都で有事が発生した場合に備えて、知恩院とこの金戒光明寺を城郭造りに仕立ててあったと伝えられます。まさにその備えが物を言う時が来た訳で、会津候の指揮の下、会津藩兵1千名がこの地に駐屯する事となりました。そして、1863年(文久3年)3月16日に壬生浪士組の芹沢鴨と近藤勇が会津候に拝謁し、後の新選組へと繋がる足掛かりとなっていきます。この門は1860年に再建されたもので、芹沢と近藤が潜った時は、まだ真新しい門だった事でしょうね。
その会津藩士の多くが京洛の治安を守る為に命を落とし、鳥羽伏見の戦いで散って行った事は周知のとおりです。その会津藩士達352名の魂が眠っているのがこの会津墓地。北隣の真如堂へ通じる道沿いに位置し、浄土宗の寺ではありますが、神道を奉じる松平家の家臣であった事から、その7割は神霊として祀られているとの事です。
その会津藩と金戒光明寺の因縁を感じずにいられないのは、この三重の塔です。この塔は、二代将軍秀忠を供養する為に建立されたのですが、会津松平氏はその秀忠を家祖とする家系です。恐妻家で知られた秀忠が、生涯で唯一妻以外の女性に産ませた子が会津藩初代藩主となった保科正之でした。妻の目を恐れて密かに保科家へ養子へ出された正之でしたが、家光の代に実弟として認められ、以後徳川宗家の為に尽くす事を家訓として代々続く事になります。そして幕末に至り、その家訓ゆえに、破滅を承知の上で京都守護職を引き受けるに至ったのです。容保は朝な夕なにこの塔を見上げて、何を思い祈った事でしょうね。
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コメント
なおくん、いつも詳しい説明ありがとうございます。ココの予備知識をもって京都へ行くと今までと違った角度からお寺も見学できて楽しいです。
今度行くまでの予備知識を蓄えておかなくっちゃ( ..)φメモメモ
投稿: Milk | 2005.05.31 00:45
Milkさん、コメントありがとうございます。
ここは信者さんがお参りに来るほかは訪れる人も少なく、
真如堂とともにとても静かな場所です。
三重の塔の場所からの眺望も素晴らしく、
是非訪れてみて下さい。
投稿: なおくん | 2005.05.31 19:23
新選組続編って?と思ったら、本当に本物(?)の続編があるんですねえ!!
こんなのって今までの大河ドラマの中でもちょっと異色ですねっ。
当然というか局長は死んでしまってる訳だから、
土方が主役になるんですね。
他にも生き残ってる人たちがいっぱいいるけど
彼らは登場するのかしら?
来年のお正月の放映かあ、ちょっと先ですけど楽しみですねっ。
投稿: しのぶ | 2005.06.02 00:47
しのぶさん、コメントありがとうございます。
大河ドラマの続編は、初めての事らしいですね。
近藤は死んでしまったけれど新選組としては函館まで続く訳で、
特に土方の場合は会津以後に本領が発揮されるのですから、
新選組を描く以上は、この続編があるというのは、
ある意味必然でもあるのです。
とはいえ、NHKに対するファンの声が後押しをした事は、
間違いないのでしょう。なんとも有り難い事です。
生き残った隊士のうち、島田魁や尾関、
それに斉藤は間違いなく出てくるでしょうけど、
永倉はどうなるのかな。
それにコアな事を言うと、尾形はどうするのだろう?原田は?
なんて、興味は尽きないですね。
でも、一番の見所はなんと言っても土方の生き様でしょう。
京都時代よりもずっと成長した姿を見せてくれるはず。
半年後にどんなドラマを展開してくれるのか、
今からとても楽しみにしています。
投稿: なおくん | 2005.06.02 18:37