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2005.05.31

義経 21

義経 第21回 「いざ出陣」

大倉御所を訪れている義経以下、弁慶、次郎、三郎の3人。彼らは政子のお召しにより参上したのでした。政子の用とは、大姫がどうしても弁慶達に会いたいと願っているというものでした。

大姫の館。大姫と義高は義経が連れてきた郎党を見るなり、力持ちの弁慶、蟹の三郎、船乗りの次郎と次々に言い当てて行きます。折に触れ、義経が2人に吹き込んでいたからでしたが、郎党達はそれに答えて、蟹になってみせたり、怪力を披露したりして、2人を楽しませてやります。その様子を陰から満足そうに見つめる頼朝夫妻。

義経邸。弁慶と2人で話す義経。義経は幼い義高に、かつて鞍馬山で過ごした自分の姿を見ていたのでした。義経の心の内を知り、気遣う弁慶ですが、そこに千鳥がやってきます。弁慶に頼まれて、賄いの手伝いに来ているのでした。さらに奥から現れた喜三太、次郎、三郎の三人。彼らは千鳥を捕まえて、海に棲むイルカや鯨の話しに花を咲かせます。さっきまでしんみりしていた雰囲気は消し飛び、明るく楽しい義経邸に戻っていました。

3日後の夜、大倉御所。溜まりで御家人達と一緒に酒を飲む義経。義高の利発ぶりに、御家人達も感心している様子です。しかし、平塚良郷は義高を信用せず、義仲の意を受けて頼朝の命を狙っているのかも知れないと危ぶんでいます。あまりの暴言に気色ばむ義経達ですが、そこへ頼朝夫妻が現れます。良郷は頼朝に向かって、義高を人質呼ばわりし、いっそ亡き者にした方が頼朝の為であると言い放ちます。厳しい表情でその言葉を黙って聞いている頼朝。

大姫の館。すごろくに興ずる義高と大姫を、気遣わしげに見守る義経。

大倉御所。頼朝の御前で、平塚良郷の処遇を巡って意見が交わされています。むしろ良郷の言い分に理解を示す時政と、厳罰をもって臨むべきと主張する梶原景時。意見が衝突した2人を頼朝が制し、良郷の処分については景時に一任することに決めます。

大倉御所の庭先に引き立てられてきた良郷。その前に立ちふさがった景時。何故の斬首かと叫ぶ良郷に、義高は頼朝の婿であり、人質ではないと諭す景時。なおも義高を生かしておいては禍根を残す事になると声を張り上げる良郷に、出過ぎた事と言い捨てて、景時は太刀をもってその首を打ちます。その恨みを一身に受けるように、返り血を浴びる景時。その様子を見ていた義経。


平塚良郷は、架空の人物と思われます。これに類する事件としては上総介広常の謀殺があり、おそらくは良郷のモチーフとなっているのでしょうね。広常は、頼朝の旗揚げの際に2万騎を率いて馳せ参じた人物で、その際に頼朝から遅参を責められ、その場で臣従を誓ったという経緯がありました。しかし、その後も大兵力を背景にした不遜な言動が相次ぎ、頼朝は御家人の統制を乱す恐れがあるとして、梶原景時に命じて謀殺してしまいました。事件の経緯は全く異なりますが、御家人の統制を守るために粛正を行った事、そしてその当事者が景時である事は同じですね。おそらくは良郷という架空の人物と義高を絡ませることによって、義経と頼朝が対座する場を設け、頼朝の哲学を義経に言って聞かせる場を作ろうとしたのではないでしょうか。


時政の館。一人酒を飲む時政の下に、政子がやってきます。良郷の斬首に驚く時政に、他の御家人達への良い見せしめになったと言い放つ政子。あまりに峻厳な頼朝の側面を知り、また景時らの重用ぶりと引き替えて北条家の将来を危ぶむ時政に、政子は頼朝への忠誠に励むことこそが肝心と忠告します。

大倉御所。廊下で頼朝夫妻と出会った義経。何か浮かぬ様子といぶかる頼朝にせかされて、良郷の斬首とはと言いかけ、慌てて取り消す義経。その夜、義経は頼朝に呼び出されます。頼朝は義経に、良郷の斬首については、良郷が間違った事を言ったからではなく、自分の決めた事に異を唱えた事が許せなかったからだと告げます。御家人の統制には情よりも理が必要と説く頼朝に、主従を繋ぐ絆は何かと問いかける義経ですが、頼朝は所領の安堵こそがその全てであると言い切ります。頼朝は、関東の武士の論理に基づく、新しい国造りを目指しているのでした。平家にはその理が欠けていたと言う頼朝に、義経は平家には平家の、情に溢れた暖かい側面があったと反論します。そして清盛が目指していた国造りについて語りますが、政子は夢を形にするにはそれにふさわしい力が必要であり、清盛にはそれが欠けていたのだと義経をやり込めます。その言葉を聞き、かつて清盛が自分に語った同じ言葉を思い浮かべる義経。頼朝は、何故清盛は自分の命を救ったのかといぶかり、今の自分を見る清盛の心境を思いやります。その言葉を、つらそうに受け止める義経。


以下、明日に続きます。

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