義経 18
義経 第18回 「清盛死す」
西八条第、蓬壺。青々と茂る蓬に、恍惚と見入る清盛。そこへやってきた時子は清盛の後ろ姿を見て、福原の海を見ている時の様だと言います。ここにいると煩わしい事を忘れさせてくれると答える清盛ですが、何を忘れたいのかは時子に聞かれても答えません。
鎌倉、大倉御所。その一棟を居館として賜った義経。しかし、弁慶達は窮屈な屋敷暮らしを嫌い、漁師の杢助の家に入り浸りの様です。
杢助の家。杢助と千鳥の親子と、くつろいで酒を酌み交わす弁慶、次郎、三郎の三人。彼らは、せっかく頼朝の下に駆けつけた義経に、何の役も与えられないという処遇に不満を抱いていました。
京、お徳の店。組紐を作る作業にいそしむうつぼと烏丸。そこへやってきたあかね。彼女は、手古奈を伴っていました。義経の言付けにより手古奈の処遇を頼まれ、お徳に侍女の口が無いものか訪ねて来たのです。うつぼに義経の消息を聞かれ、家来達と仲睦まじく暮らしていると答える手古奈。しかし、奥方はと問われた時、うつぼの想いに気づいたのか、静や頼朝の勧める縁談の事には触れず、弁慶と千鳥の仲の方に話をずらせてしまいます。
平盛国邸。清盛が訪れ、盛国と酒を酌み交わしています。幼い頃に死に別れた母の夢を見ると語る清盛。来世では母に会えるだろうかと不吉な事を言い、盛国を不安がらせます。話題を変え、以前ここに来たのは何時だったかと盛国に聞き、義経がまだ牛若といっていた頃以来だと知り、義経を懐かしむ清盛。今宵は昔語りばかりといぶかる盛国に笑い返した清盛ですが、突然杯を落としたかと想うと苦しみ出し、膳を飛ばして突っ伏してしまいます。
清盛倒れるの報に、盛国邸に駆けつけた時子と宗盛。その体のあまりの熱さに驚く時子とうろたえるばかりの宗盛。
都中で行われる清盛の平癒祈願。しかし、その効果も薄く、病状は一進一退を繰り返していました。
鎌倉、義経邸。掃除に励む家来達と、弓の具合を調べる義経。そこへ頼朝と政子がやって来ます。畏まって頼朝を迎える義経に、清盛が病で倒れたと告げる頼朝。平静を装って承りましたと答える義経を、疑わしそうに見る政子。表面は取り繕っても、心の動揺は隠せない様子の義経。
西八条第。横たわる清盛に、氷柱を団扇で扇ぎ、その冷風を送る五足。清盛は時忠を呼び、自分が死んだ後は、天下の仕置きについては宗盛と談合されたいと後白河法皇に伝える様に命じます。
後白河法皇邸。丹後の局の前で、医書を調べている法皇。清盛の症状がどこにも書かれていない事を確かめ、異国から来た不治の病かも知れぬと推測します。見舞いはどうするかと丹後の局に聞かれ、その必要はないと答える法皇と、その答えに満足そうな局。
西八条第。法皇から返事はおろか見舞いの言葉も無い事を知り、いぶかる時子。彼女は宗盛に対して、直接法皇の下を訪れる様に命じます。
法皇に拝謁する宗盛。法皇は、清盛亡き後の事は考えられないと嘆いて見せ、その苦しむ姿を見るに忍びないと、巧みに見舞いに行かない言い訳をします。平知康に、法皇を父とも思って仕えるのが聖賢の道と言われ、もったいない事と畏まる宗盛。宗盛を手玉に取って、ほくそ笑む法皇達。
以下、明日に続きます。
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