義経 16
義経 第16回 「試練の時」
静と鎌倉の山中を歩く義経。静の足の怪我も大分良くなり、まもなく都へ帰れると言う静。そんな静に都へ帰りたいのかと問いかける義経。とまどったように黙り込む静。
そんな二人を陰に隠れて見つめる政子。静はおなごの顔をしていると言って、義経と静は慕い慕われている事を見抜きます。
京から平泉へ向かう途中に、義経の館を訪れた吉次。彼を歓迎する義経主従。義経は吉次に、頼朝との対面がかなったと伝言を頼みます。そこへ現れた静。静は三郎達に、吉次を紹介されます。その吉次から、強盗が横行し、荒れ果てた京の様子を聞く義経達。
福原、清盛邸。五足から、無法地帯と化した京の様子を聞く清盛。
籠の御所。後白河法皇に拝謁する宗盛、清宗親子。法皇は宗盛に京の惨状や自らの不遇を説き、京へ帰りたいと暗にほのめかします。それを聞き、すっかりその気になってしまう宗盛。そんな宗盛を、手なずけやすいとほくそ笑む法皇。
清盛邸。清盛に都還りを進言する宗盛。誰の入れ知恵かと聞かれて、京の荒れ果てた様子、福原に不満を持つ人々の声を挙げて説得を試みる宗盛。しかし清盛は、福原遷都は深謀遠慮があっての事であり、いちいち世情にふりまわされている様では平家の行く末が危ういと宗盛をしかりつけます。
時子の屋敷。清盛に叱られて、庭ですねている宗盛。時子から事の次第を聞かれますが、それには答えず、自分は誰の子かと時子を問いつめます。宗盛は、自分の眉にあるつむじが法皇にもあると言って時子に迫りますが、時子はそれを一笑に付してしまいます。それでも納得がいかない様子の宗盛。
一門を集めた清盛。彼は、都還りについて一同の存念を諮ります。真っ先に反対したのは時忠。しかし、彼以外の宗盛、知盛、重衡、頼盛、維盛、資盛はこぞって都還りに賛成でした。一門の声の前に、ついに都還りを決意した清盛ですが、福原の海を無念そうに眺めています。従うものは、五足唯一人...。
宗盛が清盛の子で無いという説は源平盛衰記にあります。そこでは男子出生をあせった時子が、自分の産んだ女の子を同時期に産まれた清水の傘職人の男の子と取り替えたとあり、およそ武士らしくない宗盛の性格はそのせいだとしています。
このドラマで宗盛と法皇に眉に同じつむじがあると言っていましたが、これは原作本である宮尾本平家物語にある設定です。ただし、つむじがあるのは清盛自身と重盛、さらにその孫の六代であり、宗盛は入っていません。元を質せば、清盛の実の父であるとされる白川法皇から続く印であり、白川法皇の孫である後白河法皇にもまたこのつむじがあるという事になっています。
ドラマにあったように、時忠を除く平家一門は平安京への還都を望んでおり、宗盛に至っては清盛と口論になったと伝えられます。清盛が還都を決めた理由はこればかりではなく、土地問題からの新都建設の挫折、摂関家の強行な反対、頼朝や義仲の挙兵、延暦寺の強硬姿勢など幾つもの要因があったとされます。せっかく遷都の実施により平家による新政権の樹立を目指した清盛でしたが、その真意は一門の者にすら理解されず、遂には挫折するに至ったのでした。
以下、明日に続きます。
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