義経 10
義経 第10回 「父の面影」
奥州平泉に到着した義経の一行。
ドラマでは、吉次の判断で義経を奥州に連れてきた事になっていますが、これには義経の母常盤の再婚相手である一条長成が絡んでいるのではないかという説があります。長成の従兄弟に藤原基成という人物が居るのですが、基成は鎮守府将軍として奥州に赴き、そのままその地に居着いています。そしてその娘が秀衡の正室となり、泰衡を生みました。長成はその奥州藤原家と縁の深い基成と連絡を取り、秀衡に義経を庇護してくれる様段取りを付けたのではないかと考えられています。ドラマの原作の「宮尾本 平家物語」でも、ほぼこの説を採られていますね。ドラマではひたすら人が良いだけの長成ですが、実際には意外なやり手だったのかも知れません。
歓迎の宴の席で、居眠りをしてしまう義経。
この義経が宴の席で眠りこけたという話は、村上元三の「源義経」に出て来ます。ここで違うのは泰衡、国衡、忠衡と義経との関係で、村上義経では泰衡とは冷たい関係、国衡、忠衡とは親密な関係として描かれている点ですね。ちなみに、秀衡の長男は国衡で嫡男とされる泰衡は次男です。なぜか奥州藤原家では次男が家督を相続する事になっており、当主の秀衡もまた次男でした。秀衡は長男の国衡を納得させるために、泰衡の母、すなわち自分の妻を子の国衡の妻にしたと言います。これにより国衡は、泰衡の兄でありながら義父でもあるという位置に着いたという訳ですが、今から考えるとなんとも異常な世界ではありますね。以後、この兄弟達がどのように描かれていくかが、このドラマの見所の一つになると思われます。
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