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2005.01.16

京都 東山 異界としての六波羅 

六波羅とは霊の集まる場所の事。今は一見してありふれた住宅街に過ぎませんが、それでもよく探すと、そこかしこに異界との接点を見つける事が出来ます。

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まずは、三途の川。今は見てのとおりただの道路に過ぎませんが、かつてここには三世川という川が流れていました。そして、その川が異界へ行くときに渡るという、三途の川に見立てられていたのです。都という現世と六波羅という異界を隔てる境界だったのですね。ここを渡る時は、やはり六文銭を供えて行ったのでしょうか。
付近に川の痕跡がないかと探したところ、下水のマンホールがありました。もしかしたら三途の川は、今でも暗渠となって地下を流れているのかも知れません...。

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義経のエンディングでも出て来た六道の辻。六道とは地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の世界のことを指します。三途の川を渡ってきた人は、いよいよここから本格的に異界へと入っていく訳ですね。
かつては、このあたりから広大な鳥辺の墓地が広がっていました。今は風光明媚な東山ですが、平安の頃には荒涼とした死後の世界でした。野辺送りに来た人は、ここで送り火を焚いて死者を弔ったと言います。その場所が六道の辻として今に伝えられているのですね。

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さて、六道の辻には死者を裁く閻魔様もおられます。その場所がこの六道珍皇寺。この寺を入った右手にあるお堂には閻魔像が祀られています。写真には撮る事が出来ませんでしたが、なかなかの迫力ですよ。小さな子供だったら、泣き出す事間違いなしです。しつけの為にも、一度連れてきて拝ませると良いかも知れませんよ。
この閻魔像と並んで、小野篁の像も設置されています。篁は平安初期に実在した官僚ですが、生きながらにして閻魔庁の役人も兼ねていたという伝説で知られる人でもあります。

西三條の大臣と呼ばれた藤原良相という人が死んだ後、閻魔大王の前まで来ると、その横に見覚えのある顔が並んで居ます。よく見ると、なんと旧知の小野篁でした。良相に恩のあった篁は、彼を認めると大王に対して、「良相は高潔な人物です。この私に免じ、どうか生き返らせてやっていただきたい。」と頼んでやります。大王はこの篁の助言を聞いて良相を下界へと戻し、良相は天寿を全うする事が出来ました。良相は篁から口止めをされて黙っていたのですが、自然と周囲にこの話が漏れ、いつしか篁は地獄の顕官も兼ねていると知られるようになったという事です。(今昔物語)

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その篁が地獄へ通うために通っていたという井戸が上の写真。右下に石の井戸枠があるのが判るでしょうか。篁はここから夜な夜な地獄へと通い、戻ってくる時は嵯峨野にあった福生寺という寺の井戸から出て来たと伝えられます。

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まさに何でも有りという六波羅ですが、幽霊にまつわる伝説もあります。それがこの幽霊子育飴。墓の中で子を産んだ女性が幽霊となって現れ、飴を買ってはその子を育てていたという話を聞いた事がある人も居るのではないでしょうか。その発祥の地がここなのですね。

およそ観光地とは言えない六波羅界隈ですが、調べてみると色々興味深い事が判ります。こういう探訪が出来るのもまた、京都の魅力の一つですね。

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コメント

こんばんは、突然で済みません。私、苗字が、三世川(みせがわ)というものです。かなり珍しい苗字なので、いったい由来がなんなのか、わらからず、Googleで調べたらこのページに行き当たりました。京都だったんだ!。ちょっと感動です。親戚一同いろんな説があってわからなかったんですが、氷解しました!。ありがとうございます。

投稿: みせがわ といいます | 2009.08.12 23:05

みせがわさん、コメントありがとうございます。

私の記事が思わぬ形でお役に立った様で何よりでした。
たしかにあまり見かけないお名前ですね。

4年以上前に書いた記事ですが、
出典は当時追いかけていた義経の情報誌「義経紀行」でした。
普段から知っている場所に三途の川があったと知り、
現地へ見に行ったのを覚えています。

今では川の痕跡は見あたりませんが、
ここに書いた六道の辻がすぐ近くにありますので、
雰囲気はあるところですよ。

お名前縁の地として、一度訪れてみられては如何ですか。
六波羅密寺だけでも訪れる値打ちのあるところです。

投稿: なおくん | 2009.08.13 19:38

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