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2004.11.04

新選組!35の4

新選組! 第43回「決戦、油小路」その4

新選組屯所で、対御陵衛士戦の作戦を、原田、永倉と打ち合わせしている土方。御陵衛士達をおびきよせ、これを待ち伏せすると作戦を示します。さすがに土方は、戦いとなるととたんに冴えてくる様ですね。さっき、伊東の殺害現場周辺を見渡しているうちに、どういう作戦を採るのが良いか既に考えついていたようです。この土方の作戦を聞いて、黙って頷く永倉と原田。そして、藤堂を死なせるなと二人に念を押す土方。

御陵衛士屯所。隊士達が集まって、議論している様子です。伊東は夜道で、土佐藩の者と口論になり、足に怪我をしたという町役人からの注進を説明する藤堂。新選組の仕業だといきりたつ篠原。篠原は、さらに籠で迎えに来るようにとという町役人の伝言を聞いて、これは罠に違いないと、たちどころに土方の意図を見抜いてしまいます。先生は既に亡くなられたと断定を下す加納。加納は、呆然としている藤堂をちらりと見て、泣き出したいのを堪えながら立ち上がり、罠だとしても先生を路上に晒しておく事は出来ない、すぐに出ると叫びます。それに続けて、篠原が檄を飛ばすのに応じて、部屋を出て行く隊士達。暫く目を閉じて瞑目していた藤堂は、厳しい表情になって、皆の後を追います。

子母澤寛の「新選組始末記」では、町役人の知らせを受けた御陵衛士達は協議を行い、服部武雄は、「各自、甲冑を付けて行こう。」と提案し、伊東の弟である三木三郎は、「新選組とは旧知の仲であり、礼を持って受け取りに行こう。」と主張したとされています。これに対して篠原が、「少人数で大人数と戦うにせよ、甲冑を付けたまま路上に屍をさらしては、後世の人の笑い者になる。平服のままで良い。」と言ったために衆議は一致し、何の支度もせずに出かけたとあります。これを読む度に思うのですが、明らかな罠だと判っているのに、なんで鎖帷子くらい着ていかなかったのでしょうね。そのくらいの備えはあったと思うのですが...。

七条油小路の辻。さっきは座っていた伊東の死体が、今は道の真ん中で大の字になって捨てられています。周りの辻々に身を潜めている永倉と原田。人が近づいて来る気配を感じて、原田は来たとつぶやきます。

籠を伴って現場にやってきた御陵衛士達。伊東の死体を見て絶句する藤堂と、籠に入れろと短く命ずる加納。伊東の死体を籠に載せかけたそのとき、物陰に隠れていた永倉と原田の隊が群がり出てきます。御陵衛士達を囲んで、一斉に刀を抜き放つ新選組隊士達。御陵衛士達も、藤堂が刀を抜いて構えるのを合図に、同じく刀を構えます。原田と対峙している藤堂。呆然としている原田と、気遣わしげに自分を見つめる永倉に気付いて、辛そうに目を閉じ、俯いた藤堂ですが、次の瞬間鬼の様な形相となって、すさまじいかけ声と共に、新選組隊士達の中に切り込んで行きます。それを合図に、一斉に乱戦に入る両隊士達。藤堂は、すさまじい勢いで、原田を切り立てています。やっと藤堂を受け止めて藤堂と背中合わせの体制になった原田は、逃げろと藤堂にささやきます。それを聞いて、思わず戦いの姿勢を解いて原田を見つめる藤堂に、行けと原田は言って、その背中を押します。原田に押されてつんのめった藤堂は、呆然とつ立ったまま、背中で両隊士達が争う剣戟の響きを聞いています。やがて、そのままの姿勢で辛そうに目を閉じる藤堂。

新選組の屯所。近藤の部屋に居る近藤と土方。そこに、隊服を着た沖田がやってきます。その沖田を咎める近藤に、御陵衛士と斬り合っているのは本当かと聞き返す沖田。その背後から、気遣わしげなお孝が付いてきています。行くなと厳しく命じる土方に、藤堂はとまた聞き返す沖田。逃がす用意はしてあると答える土方に、藤堂が逃げる訳が無いと沖田は叫びます。沖田はそのまま部屋を後にして玄関から飛び出しますが、数歩走ったところで激しく血を吐き出し、横様に倒れてしまいます。そこへ駆け寄るお孝。さらに、後を追ってきた近藤と土方が、口々に沖田の名を呼びながら側に駆け寄り、倒れているところを抱き起こします。沖田は、苦しい息の下で、藤堂のところへ行ってやってくれと近藤に向かって頼みます。その沖田を、近藤は辛そうに見つめています。

七条油小路。依然として、激戦が繰り広げられています。振り向いた藤堂の眼前で、御陵衛士達が、一人、二人と切り倒されていきます。その様子を呆然と見守っていた藤堂は、やがて目を閉じて暫く瞑目した後、猛然と乱刃の中へと切り込んでいきます。たちどころに、二人の新選組隊士を倒した藤堂は、驚く原田を余所に、生き残っている加納と篠原と共に円陣を組み、そして永倉へと向かっていきます。あまりのもどかしさに歯ぎしりをする原田の声が聞こえない様に、ここは自分が自分に任せて逃げろと加納達に向かって告げます。とまどっている加納達に早く行けと催促する藤堂。お前は斬れないと言う永倉に、必死の形相で斬りかかる藤堂。これを難なく交わして、と一喝する永倉。藤堂に気を取られている内に、槍で受け止めた刀で押し切られそうになる原田。尚も構えを崩さない藤堂に、無言で首を振る永倉ですが、藤堂はほとんど泣きながら斬りかかって行きます。永倉は藤堂の刀を受け止めますが、藤堂は泣いているような、憤怒のような形相で、永倉を睨み付けたまま、刀を引きません。永倉は、刀の柄で藤堂を叩きのめしますが、藤堂はなおも起きあがろうとします。その背後で、さっき藤堂に斬られた新選組の隊士が、必死に起きあがろうとしています。永倉は藤堂を見下ろし、もう終わったと言って聞かせますが、藤堂は永倉を睨み付けたままです。そこへ加納が切り込んできて、永倉とつばぜり合いの形になります。それを見て、鬼のような形相で立ち上がり、永倉に向かっていこうとする藤堂ですが、背後で立ち上がった新選組隊士に斬りつけられてしまいます。激痛に耐えながら、なおも刀を振るう藤堂に、再度背後から斬りつける新選組隊士。それを見て、加納を突き飛ばす永倉と、藤堂の名を叫ぶ原田。さらに藤堂を斬りつけた新選組隊士を、突き飛ばした永倉は藤堂と向き合って、再度やめろという風に首を振りますが、幽鬼のような藤堂は、最後の力を振り絞って、永倉に斬りかかります。その刀を片手で受け止めた永倉の目の前で、力尽き崩れていく藤堂。仰向けに倒れた藤堂を見て、愕然とする永倉と原田。苦しげな表情で、背を向けて逃げ去る加納と、退却を叫ぶ篠原。その声を合図に、生き残りの御陵衛士達は、京の町中へと逃げ去ります。その後を追う、数人の新選組隊士達。

後に残った永倉と原田は倒れている藤堂を抱き上げます。まだ息のあった藤堂は、血まみれの顔で力無く永倉を見上げ、永倉と藤堂は何も言えずに痛ましげに藤堂を見つめています。そこへやってきた近藤、土方、井上の三人。近藤は、藤堂の名を叫ぶなり、藤堂の側へ駆け寄り、彼を抱きかかえます。薄く目を開けた藤堂に、死ぬなと呼びかける近藤。これでよかったと虫の息でささやく藤堂に、まことの武士だったと言ってやる近藤。最後につぶやく様に礼を言って、藤堂は息を引き取りました。叫ぶ近藤。痛ましそうな土方。辛そうに目をつむる永倉。泣きじゃくる原田。また一人死んでしまったと凝然とした表情で言う井上の言葉が、切実に響きます。藤堂の亡骸を抱いたまま、こみ上げてくる悲しみが押さえきれない様子の近藤。

この項は、新人物往来社編「新選組銘々伝」、別冊歴史読本「新選組の謎」、歴史群像シリーズ「血誠 新撰組」、子母澤寛「新選組始末記」、小野圭次郎「新選組 伊東甲子太郎」、学研「幕末 京都」を参照しています。

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