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2004.06.16

新選組!15の2

今日の新選組マイナー隊士の紹介は、松原忠司です。

松原忠司は大阪浪士という説もありますが、光縁寺の過去帳には生国播州産とあり、英名録にある播州小野の産まれが正しいようです。ドラマでもこの説をとっていましたね。生年は判っていませんが、新撰組始末記では27、8才で、でっぷりと太っていたとあります。

1863年(文久3年)5月25日付けで隊士35名の連名で幕府に提出した意見書の中に氏名が見えるので、入隊時期はこれより前と考えられます。ただし、ここには河合耆三郎の名はないので、ドラマのように一緒に入隊したという事はない様ですね。

ドラマの入隊試験では、斉藤一を相手に素手で立ち向かい見事に倒していまいしたが、彼は関口流柔術の達人であり、始めは副長助勤、後に四番隊隊長兼柔術師範を務めています。非常に豪快な性格とやさしさを併せ持っていたようで、壬生では「親切者は山南、松原」と言われていました。

八・一八の政変のときには、坊主頭に鉄入りの白鉢巻きを付け、大薙刀を持っていたため、あたかも弁慶を思わせる姿だったそうです。そして行軍の道々に「方今の形勢累卵如し」と節を付け、声高々と叫んで通ったとあります。ドラマの第23回「政変、八月十八日」ではなにやら張り切っている様子が伺えましたが、こうした逸話を踏まえての演出だったのですね。

池田屋事変では土方隊に属して参戦し、報奨金として15両を受け取っています。また、禁門の変のときに、「先鋒を承っていながら甲冑が無いとは何事だ!」とごねる山南啓助を「私が先生の前に立ってこの腹で弾を防ぎますから大丈夫です。」と大きな腹を叩きながらなだめたと言います。

この松原忠司は、1866年(慶応元年)9月1日に亡くなっていますが、その死には幾つかの説があります。まず公式には単に病死となっている様です。次いで、隊務において失策があり切腹を図ったが果たせず、平隊士として復帰したものの切腹の傷が悪化して亡くなったとする説があります。そして、良く知られているのが「壬生心中」と言われる説です。

ある日、松原が祇園で飲んだ帰りに芸者と連れだって四条大橋に通りがかったところ、浪人風の武士とすれ違いました。何を思ったかその浪人は、「このご時世に芸者連れとはいい身分だ。」とつぶやきます。これを耳にした松原は侮辱されたと思い「もう一度言ってみろ!」と浪人にからみます。浪人は何も言わないと弁解しますが、押し問答の末、松原はこの浪人を斬ってしまいます。殺してしまった後で後悔の念に囚われた松原は、浪人の懐にあった銭入れから名前と住所を知り、死体を担いでその家まで行きました。

家から出て来たのはその浪人の妻で、家の中には幼い子供が病気で寝ていました。松原はその妻に対し、「ご主人は四条大橋の上で5、6人の浪士と斬り合い果てられた。自分はご主人の加勢に出たのだが間に合わなかった。」と告げます。妻の嘆く様は尋常ではなく、気の毒に思った松原は、「これから力になるから。」と慰めた上でいくらかの金を置いて引き上げます。その後毎日のように見舞いに訪れる様になり、やがて子供が亡くなっても松原は通い続けました。この事が近藤、土方の耳に入ります。

土方は松原を呼び出して、「人妻を手に入れるためにその主人を殺し、親切面をしてその妻女に近づき、自分のものにしてしまう武士があったとしたら、君はどう思うか。」と詰め寄ります。これを聞いた松原は、「自分の不徳の致すところ。」と言い捨てて自室へ戻り、刀を腹に付き立てます。これを止めたのが同じ柔術師範の篠原泰之進でした。篠原は松原をなだめて刀を取り上げ、傷の手当てをしてやります。傷の癒えた松原は四番隊長として復帰しますが、隊務につこうとはせず、これを見た土方は松原を隊務不精励として平隊士に落としてしまいます。代わりに松原はあの妻女と深い仲になり、ますます隊内での立場を悪くしてしまいます。あれほど豪快で快活だった性格が嘘のように気鬱になり、やがてすっかりひねくれしまいました。そして、そうこうするうちに切腹しかけた時の傷が悪化してきます。進退極まった松原は、遂に妻女を柔術の技で絞め殺し、自らは腹を切って果ててしまったのでした。

以上が壬生心中のあらすじです。これは子母澤寛の創作と言われていましたが、やはり実話ではないかという説も出ています。仮に実話だとすると時代小説を地で行くような逸話ですね。「新選組!」では、どんな描き方をするのでしょうか。

この項は、子母澤寛「新選組始末記」、別冊歴史読本「新選組の謎」、木村幸比古「新選組日記」、進人物往来社「新選組資料集」「新選組銘々伝」を参照しています。


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コメント

昨日の朝日新聞夕刊の三谷幸喜さんのコラムの中で「腎結石」になったと書いてありますが、今後「新選組!」は大丈夫でしょうか?
心配です。

投稿: 合理的な愚か者 | 2004.06.17 13:25

三谷幸喜さんのコラムは、大阪では金曜日に掲載されるのでまだ見てないのですが、気になる情報ですね。これから後半にかけてのシナリオを執筆するところでしょうから、影響が出ないと良いのですが。

投稿: なおくん | 2004.06.17 20:09

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